昔の香り

カミさんが自然食料品店から買ってきた色々なナッツ類の中で、煎り豆だけが減らないので、それを使って小さいときに飲んだ昔なつかしい代用コーヒーを作ってみた。

一握りの大豆をフライパンにバラバラッと入れる。
徐々に表面が焼けてきたら、フライパンを振りながら均等に煎ってみる。
火加減は焦げすぎないよう、じっくり10分ほどかけて煎った。
色はレギュラー・コーヒー豆より薄いぐらいに仕上げた。

皿に移して余熱を取り、コーヒーミルで荒めに砕き、ドリップ式のコーヒーメーカーにセットした。

スイッチを入れて待つこと2分。紙フィルターが目詰まりをおこした。
お湯がなかなか落ちてこないので、途中からフィルターの器ごと持ち上げて、斜めに傾けながら残りのお湯をろ過した。ただ、急ぐあまり粉も少しまぎれ込んだ。
まぁ、いいだろう。

さて試飲。
コーヒーカップに注ぎ、香りを確かめる。
煎り豆を噛むときのような香ばしさがない。一口ゴクリと飲んでみる。味は子供用の麦芽飲料・ミロに似ていた。

その昔、おやじが買ってきた代用コーヒーは、もうすこし深めにローストした味だったとおもう。コーヒー“もどき”ながらも、コーヒーらしさを追求し、それなりの味わいを出していたようだ。

大豆の場合、軽いロースト仕上げは、味わいは子供用のミロになる。フレンチロースのようなエスプレッソ仕上げをしたら、おそらく苦くて飲めないだろう。

東日本大震災のニュースみていて、ふと子供時代の思い出が甦ったのだが、むかし懐かしい大豆コーヒーを飲みながら、戦後の人々は敗戦のどん底から工夫やアイデアを出して、生き抜いてきたのだとしみじみおもった。

コーヒーはコーヒー豆からという常識の及ばないそんな時代、その代用を工夫しながら、“もどき”の一服を楽しんだのだとおもう。
そしてその味も、高度経済成長時代とともに消えていった。

代用コーヒーとしては、ほかにタンポポの根があるそうだ。
ちょうど季節柄もいい。やってみようか。
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by tanatali3 | 2011-05-12 23:33 | 雑記
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