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“間合い”

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調理前の七面鳥


高校時代の思い出を紐解くと、マシュマロやあんずなどとは程遠い塩コショウ味だ、まぁ味の原点だからいいのだと思う。(笑)


今年の夏、モンタナ州グレーシャー国立公園を一緒に廻ったNが東京から駆け付けてきて、日本滞在最後の2日間をお膳立てしてくれた。ほんとうに感謝している。

そのNが声掛けして同級生Kも付き合うという。彼のおぼろげな記憶の断片を探ってみた。


印象に残っているのは、おそらく母校で剣道部が他校と対抗試合をしたときだったと思う。男子クラス全員で応援したのかどうか、Kが先鋒だったと思うが定かではない、ただ彼の”間合いと鋭い切り込み”が印象に残っている。

細身の普段の笑顔からは想像できないが、下がる目じりの片隅に鋭い目力があったと記憶している。それも55年を経てすっかり消え失せ、好々爺だ。


大学時代、空手部の部員が腕っぷしを過信し、ヤクザとの喧嘩で命を落とす事件があった。“礼(ルール)に始まり礼に終わる”武道と違い、喧嘩馴れした輩(やから)の争いは“間合い”などない。


“間合い”とは、平たく言えば、空気を読む、気構える、ということでもある。

同級生とは時間が一足飛びに逆戻りして、この “間合い”無しの付き合いができる。


地方都市アルアル話しだよとKが言う。市町村合併やモール誕生後、旧市街がシャッター通りになったのだという。それに伴い街のアーケードが老朽化し、天窓の落下等で危険になり、取り壊すことになった。ただその予算の目途がつかず困ったらしい。


国や地方の補助金はアーケード取り壊し名目の予算支出例は無いらしい。

そこでない頭を働かせ、イヤイヤ冗談、知恵を絞り、「街を明るく」という名目で、補助金を得たのだという。 これには笑ってしまった。


初日はゴルフ、翌日は露天風呂の夏油山荘あたりとおもったら、11月10日で閉山したという。聞くところでは3mの積雪に備えての囲い作業のためらしい。さすがKは地元に詳しく、日本でめずらしい温泉付き駅舎“ほっと湯田”があるからと案内してくれた。


話は二日前に遡る。駅改札口でNの到着を待っていたら、長い列ができていて、その横に駅長とおぼしき人や数人の駅員が見守っている。おやと思って話しかけると、北上線(横黒線)開設百年を記念して無料列車を運行中だという。百年前?奥羽山脈縦断の長いトンネルを開通させ、それだけでも物語になりそうな鉄道開拓史だろうなぁ・・・、思いを巡らせた。


その温泉付き駅舎“ほっと湯田”に話をもどそう。風呂場内に列車の運行状況を知らせる信号機がある。ちなみに赤は到着45分~30分、黄30分~15分、青15分~発車とのこと。

ひとっ風呂浴びながら、乗り遅れのないように知らせてくれるのは、有難い。ふんどし一丁で乗るわけにはいかないが、そこはそれよく考えている。湯上りの体を冷ませるよう2階に大広間を設けて、くつろげるようになっている。また錦秋湖の紅葉も見事だった。


駅前の店や道の駅で旬の物を漁り、レストランのテーブル空を待つ間、Kはここの名物“クッキー天ぷら”があるといって、その日最後の一袋を買ったという。もぐもぐ食べながら、なにげなく俺たち2人も分けてくれたのだが、そんな優しい気遣いの人になっている。

ただそのクッキー天ぷらはもう一工夫ほしいな、と失礼ながら笑ってしまった。


久々のゴルフは腰が回らずシングルのKには迷惑をかけてしまった。これが人生最後のゴルフだと許してもらうしかない。

それにしてもKは剣道の“間合い”を人生にどう生かしたのだろう、今は昔と故郷を後にした。


*訂正 ワンコを散歩しながら思い出した。クッキー天ぷらではなく、ビスケット天ぷら。衣にかくれて分からないのだ。(笑)


ジョン・レノンが故郷の思い出を綴った歌♪In My Life♪。今さらながらいい歌詞だとおもう。





# by tanatali3 | 2023-11-28 19:56 | | Trackback | Comments(12)

About Time


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コロナの影響で日本への里帰りが延びのびになってしまい、暮れの押し迫る前に、終活を兼ねて日本を訪れることにした。


万が一のことや、お世話になった人と菩提寺への供養、親戚への挨拶、友人も。ただ体調の優れない人は連絡を控えた。


久しぶりの日本は懐かしさもあり、美しく、佇まいの至る所に気配りを感じた。もちろん食事や歓談を大いに満喫し、大浴場や温泉に心は癒された。


少し気になったのは、30年間世界の荒波に揉まれ、日本経済が市民生活を蝕み、こと「食」に関しては飽食の時代を経ていま尚、「日本の普通」が世界基準の「普通」を遥かに上回っていることだ


単刀直入に言うと、詳細は省くが、競合店同士が価格競争にしのぎを削り首を絞め合い、そのしわ寄せを従業員に押し付けてきたということだ。労働の対価が安すぎる。そういう経営はそろそろ止めるべきだろう。


パンデミックの影響でアメリカでは飲食業は従業員が集まらず、ナショナルチェーンでさえ立ちいかなくなった。

衣・食・住の中で、日本は「食」へのあくなき追及をしてきたけれど、パラダイムシフトをする時期なのだとおもう。


他国の影響を軽減する上でも、自給率4割に満たない食糧やエネルギーを、日本の地の利を生かした地域経済に密着した生産から消費まで包括的に見直せるはずなのだ。


さて話は変わるが、機内で“AboutTime”という映画を観た。


“時間”は人間が創りだした概念だけれど、この見えない概念のおかげで地球上に文明を築くことが出来たのだと思う。

陽は上り陽は沈み、太陽一周を一年とした。そして地球にとってほんの僅かな期間、今も昔も相も変わらず争いが絶えない。


若い時分は、時短に急き立てられ、生きる楽しみを味わうことなどまずなかった。ところがどっこい歳を取るにつれ、時間はさらに加速して一日があっという間に過ぎ去ってしまう。


覆水盆に返らずというけれど、量子力学では逆方向の時間もありえるという。また現代の科学では時間旅行は無理だが、過去に遡る方法は少なからずある。

歴史を修正することはできないが、未来に同じ過ちを繰り返さないよう、過去の書物から学ぶことはできるのだ。


命の大切さを知り、全うできる幸せを誰が奪うことができようか。

悲しいことにこの考えを、偏見や怒りや憎しみはいとも簡単に奪ってしまう。


映画の内容とかけ離れてしまったけれど、人生は生きてこそなのだと思う。



# by tanatali3 | 2023-11-20 23:40 | | Trackback | Comments(12)

静かなハローイン

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ハローインを4日繰り上げ、土曜日に行うとの張り紙だったが、その日のRVパークは午後から降り始めたみぞれ交じりのそぼ降る沈黙が辺りを覆っていた。


「怪獣がトレーラーの陰に消えて行ったわよ」、カミさんが言うではないか。

早々その姿を捉えようと外に飛び出し、追いかけてみたのだが何処にも見当たらない。

「怪獣、観ました?」「まっすぐ行ったようね」、「恐竜見ました?」「その角を左に曲がったわよ」


トレーラーとトレーラーの隙間から怪獣がヨタヨタ通り過ぎてゆく姿が見えた。

「オーイ、ダイナソー君」

通り一つ隔てたところから声をかけた。即反応してくれて、ハイ・ポーズ。


中に入っているのは少年のようだ。親指グーのポーズを取り、お菓子袋を持ちながらそそくさと次の通りに消えていった。

なんとも静かなハローインだった。


その動画



# by tanatali3 | 2023-11-15 17:09 | 風景 | Trackback | Comments(2)

しばしお休み

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いつぞやのブログで紹介された町中華のタンメン話が頭にこびりつき、日本に帰国する際、そのコースを歩いてみようかとおもっています。久々に東京の空気を吸ってみます。パンデミックでほんとうにご無沙汰してしまいました。ついてはブログを少々休みます。



# by tanatali3 | 2023-11-03 23:56 | | Trackback | Comments(2)

認知レジリエンス

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ワンちゃんが31歳と165日で死亡したという記事に驚く。

1992年獣医師による犬の登録以来、今年の2月には最高齢の犬としてギネス認定をされている。人間なら二百歳を優に超える。


義理の母もあと1年5ケ月で百歳になる、健康状態はすこぶるいい。

とは言いながら、ここ10年、一過性脳虚血発作による言語障害がたまに起きる。

昨日も朝食のテーブルに座るなり言葉が途切れて、ろれつが回らず、病院へ5分で直行した。脳血栓の有無などCTMRI、SPECTで脳専門医に診断してもらう。一泊二日の健康診断で、異常なし。


この言語障害は4~5分で治まるのだが、万が一ということがあるため、毎回チェックしてもらう。短期記憶は好きな事項ならまだ覚えているが、マルチタスク(多重課題)が難しくなってきている。


特にガスコンロの着火がうまく出来ない。ガス栓を押しながら反時計回りに捻り、点火スイッチを押して着火するのだが、点火後数秒ガス栓を押したままにしないと、ガス漏れ防止のため消える仕組みになっている。この手順がおぼつかないのだ。


外回りの枯れ葉をブロアーで掃除して車内に戻ったら、ソファーにどっぷり座り込み、私の帰りを待っていたのだろう。ジッと私を見つめて、悲しそうな表情で、「ガスが無いみたい、火が付かない」と言う。


コンロの栓を押しながら左回りに捻り、スイッチを押そうとして、点火スイッチのキャップが外れていることに気が付く。「これ、どうしたの?」両腕を開き加減に手の平をこちらに見せ肩をすくめてみせる。ボクも笑いながら真似をして見せた。


キャップを締め直して点火、ガスもある、着火した。

カミさんは母に何十回と教えるのだがうまくできない。だがこればかりは致し方ないのだ。


先日、母はメモに書くという。その後読み返しても実行できず、じっとメモを見つめている。認知症、はたまたボケ?呼び名はどうでも、その他日常生活にほとんど支障はない。

まっ、落ち込ませないよう、マルチタスクをゲーム感覚で練習してみようとおもっている。


ある専門医が「脳が老化しない10の特徴」を上げていた。さすが佐平治さん、日々実行していることばかり。


*歩く、4000歩以上、効果的な歩き方は色々あるようだ。

*10時間以上座らない、血栓予防のため

*十分な睡眠をとる

*難聴を防ぐ、補聴器を利用

*新しいことにチャレンジする、楽器や新たな言葉など

*主観年齢を若く保つ

*生涯学習の意欲を持つ

*人と交流を持つ。他人の知識に関心を持つ。社会とのつながりを維持

*炎症を減らす。体にいい食事、過度の飲酒喫煙を控える

*遺伝的要因、アポリポ・タンパク質(関連遺伝子)は変えられない

*認知レジリエンスを高く、前向きに、くよくよしない、良い方向に変える


半径6mの話だけれど、ミュージシャンの人々は、認知症予防が効いているのかもしれない。90歳過ぎの現役がけっこう居る。


プレーリー・ドッグ/大草原の集団生活



# by tanatali3 | 2023-10-26 16:16 | 雑記 | Trackback | Comments(8)